大阪市福島区の終活終身サポート専門行政書士の森です。
今回は、前々回と同じ内容を、シニア向けシニアのご家族向けにアレンジして執筆してみました。
人生の後半戦を穏やかに、そして自分らしく過ごすための「終活」。最近では「子どもに迷惑をかけたくない」「一人暮らしなので将来が不安」という理由から、元気なうちに将来の備えを進める方が増えています。
シニア世代の皆様が知っておきたい3つのニュースと備えのポイントを分かりやすくお伝えします。
1. 任意後見と成年後見制度:必要なときだけ頼れる時代へ
認知症などで判断能力が衰えたときに備え、財産管理や介護の手続きを信頼できる人に託すのが「後見制度」です。
従来の成年後見制度は「一度使うと亡くなるまでやめられない(終身制)」という面があり、「実家の売却手続きだけ頼みたい」「一定の目的が終わったら終了したい」といった使い方が難しいのが大きな悩みでした。
しかし、歴史的な民法等の改正を受け、今後の新制度では「目的が済んだら途中で終了できる仕組み」や、「必要な手続きだけをピンポイントで支援する仕組み」への移行が進められています。
元気なうちに準備するなら「任意後見」
今、元気なうちから準備できる手段として改めて注目されているのが「任意後見制度」です。
自分が信頼できる人(家族や専門家)をあらかじめ自分で選び、「自分がどうしてほしいか」を公正証書で契約しておきます。
備えのコツ:任意後見を頼む相手(受任者)が自分より先に高齢になったり体調を崩したりするリスクに備えて、第2順位の候補者(予備受任者)を定めておくといった工夫も、実務の中で広がっています。
(参考:法務省:任意後見制度について / 法務省:民法等の一部を改正する法律(成年後見及び遺言の制度の見直し))
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00410.html
2. 死後事務委任契約:自分の「万一」のあとを誰に託す?
自分の亡き後、葬儀の手配や部屋の引き払い、公共料金の精算、医療費の支払いなどを頼んでおくのが「死後事務委任契約」です。
最近では大手金融機関や民間の終活サポート会社によるセミナーも盛んに開かれ、関心が高まっています。しかし、ここで気をつけたいのが「法律上のルール」です。
行政手続きや官公署への書類提出など、法律で決められた独占業務(行政書士法など)を、無資格の事業者が代行することは認められていません。
選ぶ際の注意点:「死後事務パッケージ」などのサービスを利用する際は、死亡届の提出や官公署への各種届出といった法的手続きを、どの資格を持った専門家(行政書士など)が担当・代行するのか、事前によく確かめておくことが大切です。
3. 身元保証・見守りサービス:安心できる会社を選ぶチェックポイント
病院への入院や介護施設への入所時に求められる「身元保証人」。身寄りのない方や遠方にしか親族がいない方のために、民間事業者が身元保証や日々の見守りを代行するサービスが普及しています。
その一方で、預けたお金(預託金)の管理があやふやだったり、解約時のルールでもめたりといったトラブルを防止するため、国(関係府省庁)は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を定めています。
良い事業者を選ぶために、以下の点を確認してみましょう。
預かったお金の管理方法:事業者自身の口座とは別に、透明性の高い方法(別口座・預かり口座など)で管理されているか。
契約内容の説明:費用(入会金・月額・追加費用)や解約時の戻り金について、書面でわかりやすく説明してくれるか。
強要がないか:遺産を寄附させるような不自然な契約が含まれていないか。
(参考:厚生労働省:高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(主なポイント)[PDF] https://www.mhlw.go.jp/content/001262635.pdf
/ 法務省:高齢者等終身サポート事業者ガイドライン[PDF]
https://www.moj.go.jp/content/001420018.pdf )
まとめ:頭も体も元気な「今」こそ、納得の準備を
終活は「万一のときの準備」であると同時に、「これからの人生を安心して楽しむための準備」でもあります。
後見制度、死後事務委任、身元保証サービスはいずれも、自分の判断能力がしっかりしている元気なうちでなければ、思うように契約を結ぶことができません。
「まだ早いかな」と思う段階から少しずつ情報を集め、地域の包括支援センターや信頼できる士業専門家に相談しながら、ご自身にぴったりの「安心プラン」を形にしていきましょう。